南太平洋 Island Hopping

                    清水 彰夫(JA3JM/AA5K)  Akio Shimizu

 抜けるような青い空。
紺碧の海。白い波。

椰子の葉かげを吹き抜ける風の音。
満天の星。

Pile−Up

10月になるとまた海外運用の虫が騒ぎだした。
 


 


1993 南太平洋 Island Hopping のルートマップ
 
Date Leave Flight Arrive Stay
12 23 Th PPG 1830 PH 271 1905 APW  
12 24 Fr APW 0230 PH 648 0330 IUE ZK2XJ

Niue Hotel
Tel: 683-4092
Fax: 683-4310
12 25 Sa      
12 26 Su      
12 27 Mo      
12 28 Tu      
12 29 We      
12 30 Th      
12 31 Fr IUE 0430 PH 648 0710 RAR  

ニウエでのスケジュール

パゴパゴーアピア間に搭乗したPH271便 (DHT)
 

アピアーニウエ間に搭乗したPH647便 (B737)
 

島の形と、S 19°・W 169°50′の位置を示した、ニウエの査証
 
 

ニウエの地図
 

Alofi 付近の地図
 

ニウエホテルに、掲げられたニュージーランドとニウエの国旗
 

ZK2XJの免許状
 

アンテナの建設
 

急に吹き出した強風にゆれる椰子とアンテナマスト
 

雨後の夕焼け空
 

ニウエホテルの庭に設置したアンテナ
 

1993 南太平洋 Island Hopping (4)

BACK    NEXT    目次

ニウエへの移動
ニウエの第1日
 

●ニウエへの移動

 Pago Pago 空港に着くと、5〜6人の乗客が荷物を抱えて、カウンターに並んでいる。列の後ろに荷物を置いて、しばらく様子を見る。すると、列の中の一人が「このフライトは最終のフライトで、予約がないと今日は乗れないよ」、とアドバイスをしてくれる。「予約してますので」、「ああ、それならOK」、「魚釣りに行くのかね」、アンテナを魚釣り道具と思っているようである。「そうですよ」とごまかしておく。
 グウエンさんがいれば挨拶をしておこうと、ポリネシア航空のオフィスを覗いてみる。ドアに鍵がかかっており、当直の係員が一人いるだけである。横の窓をあけて「グウエンさんは2時半ごろ家に帰りましたよ」と話してくる。顔を覚えられたようである。「6時半のフライトに乗るのでよろしく」とメッセージを伝えてもらう。
 しばらくして、アピア行きのチェックインが始まる。このPH271便は19人乗りの小型機なので、重量制限を心配したが、タグに36kg、18kgと重量を書き込んだだけで、何事もなくチェックインを終了。
 定刻を少し過ぎて、搭乗開始。人数が少ないため準備も簡単、すぐにドアが閉まり、プロペラが回りだす。天候は小雨で、低く雲が垂れている。飛行は、ときどきエアポケットに落ち込んだりするが、揺れもあまり無く、快適である。
 30分程の飛行で、アピア空港に到着。入国手続き、通関もトランジットということで、フリ−パス。出発ロビ−に向かう。 ニウエ行きのPH648便は午前2時30分の出発で、7時間程も待ち時間がある。荷物をチェックインできれば預けて、街に出てみようと思い、カウンタ−で聞いてみると、「直前でないとダメ」とのこと。荷物をカ−トに載せたまま、使っていないカウンタ−の前に置いて、待合室でくつろぐ。
 空腹を感じだしたので、時計を見ると午後10時をまわっている。何か食べようとレス トランを探すが見当らない。この空港にはレストランが無いようである。スタンドで1タ−ラ (WS$1= 50円くらい)のコ−ヒ−を飲んでごまかしたが、1時間も持たない。パンを売っている店を探すが無いようである。もう一度、コ−ヒ−を飲もうとスタンド で並んでいると、奥の方でカップヌードルにお湯を入れているではないか。さっそくチキ ンヌ−ドルを注文する。3タ−ラ、ご当地製であるが、味も結構いける。
 一息ついてしばらくすると、チェックインが始まる。PH648便はアピアからニウエ・ラロトンガを経由してパペ−テまで行く便である。ニウエで降りる乗客はさすがに少なく4〜5人の様である。
 西サモアでは出国税が20タ−ラいる。チェックインをしたチケットとパスポートを窓口にだすと、24時間以内の滞在だからいらないとのこと。前回は取られた記憶があるが、20タ−ラでも助かる。
 出国手続きを済ませ、セキュリティ・チェックを受ける。チェックはかなり厳しく、リュックの中のものを全部ひっぱりだし、トランシ−バ−については、これは何かとひつこく聞かれる。
 出発時刻になっても搭乗の案内がない。待合室のカウンタ−で係員がトランシ−バ−でしきりに連絡を取っている。どうやら到着便が遅れている様である。1時間ほどしてロスアンジェルスからの767機が到着する。
 乗り継ぎの客が待合室のカウンターに長い列をつくる。駐機場の方に目をやると767 が1機、737が2機とポリネシア航空の主要機が揃っている。乗ってきたような小型機 を見慣れていると、737も大きく、立派に見える。
 やがて、ナンディ行きの搭乗案内があり、続いてロスアンジェルス行きの搭乗案内で、ニウエ行きは一番最後となる。結局2時間遅れで、4時30分にアピア空港を離陸、最初の寄港地ニウエへと飛び立つ。
 ニウエは西経170度、南緯19度付近に位置する東西約10km、南北約20kmの小さ な島で、人口は約3000、自治権を持ったニュージランド領である。
 1時間ほどの飛行でニウエ空港に到着。ここで降りたのはやはり5名ほど。入国手続きを済ませ、荷物を受け取る。通関は書類をチラッと見ただけでフリーパス。

 空港の外に出るとホテルからの出迎えのマイクロバスが待っており、荷物を積み込んでくれる。空港からホテルまでは車で10分ほどの距離。
 ホテルでは支配人のレグさんが出迎えてくれ、再訪を歓迎してくれる。辺りはすっかり 明るくなっているが、ほとんど眠っていないので、一眠りする。

ニウエへの移動
 

●ニウエの第1日

 この1週間、ニウエでの足になるマウンテン・バイクを借りようとフロントへ行く。フ ロントではアネッテさんが再訪を歓迎してくれ、すぐにバイクを手配してくれる。ホテル にはレンタカーの店があるが、オフシーズンのためか閉まっており、必要の都度、自宅から係員が駆けつけるようである。
 フロントの掲示板にふと目をやると、前回の礼状といっしょに送ったZK2XJのQS Lカードがはってある。他にW6YAのカードもあり、かなりのハムがこのホテルを訪れ ているようである。
 フロントにはテレコムから「ライセンスを発行してあるので、オフィスまで取りにくる ように」というメッセージが届いていたので、すぐにテレコムへ行く。
 テレコムはホテルからバイクで10分ほど、アロフィの街の中央にある。ここには郵便 局、警察、銀行など主要な官公署が揃っている。
 テレコムの受付で「アマチュア無線のライセンス・・・」と言いかけると、すぐに封筒 に入ったライセンスを手渡してくれる。封筒の中にはライセンスとニウエ訪問を歓迎する ディレクターからのメッセージが入っている。ディレクターはMr. Richerd Hipa。以前のZK2JD 、Mr. John Duncan から代っている。挨拶をして行こうかな、と思っていると、部 屋から様子を見ておられたのか、ディレクターの方から外へ出てこられ、話しかけてこら れる。ライセンスの発行のお礼を言い、前回のZK2XJの状況や今回のスケジュール等 について話をする。
 テレコムの前のマーケットでパンや飲物を買い込んでホテルへ戻る。早速アンテナの機材を取りだし設営を始める。エレメントをポールに取り付け、ポールを伸ばし始めたとこ ろで、あたりが急に暗くなり、強い風が吹きだす。慌てて仮にステーを張ってポールを固 定する。雨も降りだしたので作業を中断して部屋へ戻る。
 1時間ほど様子を見るが、風雨はますます強くなり、おさまる気配もない。この間にト ランシーバーを取りだし、サテライト用の2本のアンテナを組み立てる。
 2時間程してさすがの風雨も弱くなり、西の方から明るくなってくる。まだ小雨が残っ ているが作業を再開する。アルミポールを12mまで伸ばし、ステーを張る。7MHz、 3. 5MHz、1. 8MHzの各ダイポールのエレメントを張る。最後にサテライト用の ビームアンテナを取り付ける。作業を終わる頃には晴れ間ものぞき、西の空は見事な夕焼けである。

 まずHFのアンテナをチェック。ケーブルを接続し、21MHzで電波を出す。ところ が少ししかパワーが出ない。バンドを変えてみるが同様である。イヤな予感。慌てて同軸ケーブルをアンテナの方に手繰ってみる。案の定、ケーブルは144MHzのビームアンテナのケーブルに接続されているではないか。その先には受信コンバーターがある。コンバーターにHFのパワーが加わったことになる。一瞬真っ青になる。せっかく準備したサテライト通信ができないかも。急いでコンバーターを取り外し、部屋へ持ち帰って内部をチェックする。焼けた形跡は何もない。APCが効いてパワーが出なかった様である。
 ダイオードやトランジスターが飛んでいることもあるので、コンバーターのチェックをする。受信周波数を29.8MHz 付近に合わせ、ビームアンテナを衛星の方向に向ける。コンバーターのスイッチを入れる。ダイアルを回してビーコンの信号を探す。ガラガラという ビーコンが強力に聞こえてくる。ヤレヤレ、一安心である。コンバーターには何の損傷も なく、感度も十分で、サテライト通信が予定通りできる。
 今度は注意深くケーブルを接続して、HFアンテナをチェックする。トランシーバーのチューナーのおかげか、1.8MHzから28MHzまで、すべてのバンドでフルパワーがでる。あたりが暗くなってきたので、夕食をとってから運用を始めることにする。
 12月24日午後9時20分(25日0820UTC)ZK2XJの運用を開始する。7MHzでCQを出す。まず、JA1IDYが呼んでくる。信号は599、強力である。 こちらの信号も599でよく飛んでいる様である。JA4ESR、JF2MBF、JE2LPCと続いてパイルアップとなる。その後、1000UTC  までの間に160局程とQSO。

ZK2XJ ログの1ページ目


 1040UTC周波数を3.5MHzに変えてCQを出す。まず、JR0RUGが呼んでくる。JA0DAI、JA7BXS、JF2MBFと続く。JF2MBF、市野氏はいつも、待ってましたとばかりに呼んでくる。ペースは7MHzよりも落ちるがW1〜W4のイーストコーストの局もJAに混じって呼んでくる。
 1200UTCを過ぎる。1302UTCからAO−13のトランスポンダーがONとなるので、サテライト通信の準備を始める。430MHzの同軸ケーブルを10mと短くしたため、部屋まではケーブルを引き込めないので、リグを庭に出して運用することにする。小さなテーブルと椅子を庭の中央に出し、テーブルの上に430MHzとHFのトランシーバー、AC電源を、椅子には時計、ログブック、キーを置く。電源は部屋から延長ケーブルで引いてくる。ビームアンテナをAO−13がある方位310度、仰角40度に向ける。スイッチを入れ、ビーコンの周波数に合わせる。ビーコンの信号が強力に聞こえてくる。これなら大丈夫、皆さんに迷惑をかけずにQSOができるはずだ。

 1302UTC、トランスポンダーがONになる。送信周波数を435.510MHzに合わせキーをたたく。ところが自分のダウンリンクの信号が聞こえない。この設備であれば確実にアップリンクできているはずなので、かまわずCQを2・3回出す。4・5局のチューニングするビート音が一つの周波数に集まってくる。ここに自分の信号があるのだな、と思いながらもう一度CQを出す。まずJH2AYBが呼んでくる。スピン・モジュレーションがあって信号が途切れ途切れになり、聞き取りにくいが、RSTは579。私の信号は599、こちらでは聞こえないが,JAにはよく届いている様である。
 たちまちパイルアップになるが、こちらは暗闇の庭の真ん中、左手で懐中電灯を持ち、 右手でキーを叩き、ログを付け、ダイアルを回してチューニングする。時々ビームアンテ ナの方向を修正しにアンテナの所まで走ってゆく、とテンワヤンワの大騒ぎである。
 この様な調子で、トランスポンダーがOFFになる1450UTCまでに約90局とQSO。
 現地時刻で午前4時を回ったので第1日目の運用はこれで終わる。


 

ZK2XJ の設備
 

庭に設置したサテライト用の設備
 

ニウエへの移動
ニウエの第1日

BACK    TOP    NEXT

目次

MENU

運用ガイド
ニウエ(ZK2)