======== AHC NEWS #64 ========
( 2007年8月20日発行 )

★私のアマチュア無線史(23)    JA3JM 清水 彰夫 


  
★RTTY

    1975年のある日、会社の仲間から「テレタイプの機械、1台買えへんか。」と声がかかる。
  車で行くので家まで機械を運んでくれる、ということなので一枚乗ることにする。

   機械をわけてくれるという会社に行くと、倉庫に何台かの「M−15」タイプの機械が無造作に
  置いてある。そのうち程度の良さそうなのを1台選ぶと「ついでにこれも持って帰り。」と
  「テープパンチャー」を1台おまけにつけてくれる。

   機械は一人でやっと持ち上げることができるほどの重さで、仲間に手伝ってもらって、やっとの思いで
  二階のシャックへ運び上げる。試しにスイッチを入れてみると、大きな音をたててモーターが回りだし、
  キーをたたくと「バシャン、バシャン」とさらに大きな音が出て家全体が揺れるような感じがする。

   とにかくこれで「RTTY」ができそうなので、無線機とのインターフェースを考える。

   送信は電流ループのアース側に1kΩの抵抗を入れて、その両端の電圧をトランジスターやICを使って
  TTLレベルの信号にする。送受信機は当時「IC−700R」と「IC−700T」の組み合わせを
  使っていたので、「IC−700T」のCW用BFOの水晶発振回路にトリマーを追加し、ダイオードで
  ON/OFFしてFSK信号が出るようにする。

   受信は手元にあったICのカタログに、PLL用IC、NE−555を使ったFSKデモジュレーターの
  参考回路の記事があったので、それに倣って「FSKデモジュレーター」を製作する。

   これらを送受信機に接続してテストする。送信はきれいなFSK信号が出ているようだ。受信は強い信号で
  あれば何とか文字になる。ただ、アマチュア無線では信号速度が45ボーで、この機械は50ボーなので
  速度の変換が必要だ。丁度CQ誌にUARTのICを使ったスピードコンバーターの記事が出ていたので、
  製作しようとUARTを注文する。

   1975年12月31日19時ごろ、何気なく14MHzを聞いていると「DU1POL」のRTTY
  信号が強力に入感する。テレタイプもきれいにプリントできる。速度が異なるが、思い切って呼んでみる。
  早速応答がある。また、”Congratulation the first RTTY QSO” というメッセージをいただく。

   DU1POL、Paulとはサテライトで何度もQSOしており、速度の異なるRTTYでも気長に
  QSOの相手をしてくれる。

   その後UARTのICが届き、スピードコンバーターを製作する。このスピードコンバーターも順調に
  動作して、VK6VK・KH6AG・P29MO・9M2MW・DJ1IJ・I3JGP・OE3PHA・
  SM5CWB・CT1EQ等のDXともQSOができる。

   その後、Flesher Corp の「TU−170」というターミナルユニットのキットを購入し、QSOの効率も
  上がって、50カウントリーほどとQSOできたと記憶している。

   しかし、この機械は騒音と振動がすごく、次第に使わなくなり、その後は順次、HALのキーボード付の
  TUから、AEAのPK−232とパソコンとの組み合わせ、と代わって行く。

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