======== AHC NEWS #56 ========
( 2006年3月20日発行 )

★私のアマチュア無線史(15)    JA3JM 清水 彰夫 


  
★落成検査

   1954年10月27日に「JA3LK」と一緒に行う、と落成検査の日程が決まりました。
  問題は7MC帯のクリスタル発振子です。私は7075KCの1個しか持っていません。
  実用的には3400KC付近のクリスタルを研磨して3500KCにしたクリスタルがあり、
  各スポット周波数で送信が可能なのですが、申請書では7MCが基本発振になっていますので、
  検査には使えません。JA3LK、吉田君もクリスタルを持っていません。そこで、JA3AF、
  桜井さんに全ての周波数のクリスタルをお借りすることにしました。

   いよいよ検査の当日となりました。午前中はJA3LK、吉田君のところで検査です。
  午後1時過ぎに吉田君の案内で検査官が見えました。検査は問題なく合格したとのこと。
  吉田君からクリスタルをこそっと受け取ります。

   まず、ヘテロダイン周波数計の電源を入れウオームアップ。各バンドで送信機の電圧、電流を
  読み取り、出力を測定します。次に「VVV VVV」 を打ったり、「本日は晴天なり」
  を言ったりしてバンドメーターで帯域の測定です。

   周波数計が安定したので周波数の測定です。まず、JJYを受信して周波数計の較正です。
  続いて7MCの電話2波、電信3波のスポット周波数の測定です。偏差はまったく問題がないのですが、
  クリスタルの製造番号を書類に記入されるので、注意を受けないかヒヤヒヤです。検査官も貧乏学生の
  状況を判っておられるのか、何も言われませんでした。

   いよいよ電測です。裏の空き地に測定器を持ち出され、7MCから測定開始です。
  電波を発射して出力を見られてから外へ出られたので、これ幸いと、アンテナカップラーの
  リンクコイルの結合をルーズにして「VVV VVV」を送出しました。当時はテレビもまだ
  放送されていませんでしたから、ラジオ放送への妨害、「BCI」が一番問題でしたが、
  少しご注意があっただけで、無事「合格」となり、今から運用してもよい、と口頭で承認を頂きました。

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